EP取得厳格化と学歴

チャイニーズニューイヤーの飾りつけが楽しい季節になりました。新年にあわせて「新しい」物を買うシンガポーリアン。同僚の一人(マレーシアンチャイニーズ)も毎年新しいドレスを買うんだとか。

EP取得が2017年1月から厳しくなったことは周知の事実ですが、先日ショッキングな話を聞きました。

以前働いていた会社にはフィリピンからきた同僚がいました。前職は激務な仕事環境で、短い人で1週間、長い人でも数か月ぐらいの職場でした。その中でも彼女はとても我慢強く、数少ない1年以上働いているスタッフでした。そんな彼女がこの前EPの更新を迎えたそうなのですが、EPをリジェクトされてしまい、Sパスになったと人づてに聞きました。なお、EPとは a managerial, executive or specialised job に従事する人に発行される就労ビザをいい、Sパスとはmid-level skilled staffに支給されるものをいいます。 

結婚をしていて子供がいたり、子供を産みたいと考えているカップルの場合SpassかEPかでは大きな違いがあります。最も大きいのはDPが出るか出ないか。MOMのサイトをみるとSパスでも出るとはありますが、給与条件があり、月6,000SGDないとDPが出ません。

Sパスの場合には月額6,000SGDもないことが普通なので(月6,000SGDならEPになるの普通)、出産した場合にはDPが付与されずシンガポールでは育てられません。フィリピン人の彼女の旦那様もまたSパスであり、このままだと子供にDPを付与できずシンガポール外で育てなくてはならなくなります。

ボスにもEPにしてほしい、具体的にはボーナス分を割って月額給与に加算してほしいと交渉したそうですが(余談ですが、この方法で月額給与を増やして申請することは認められていません)、ボーナスは確定したものではないし、そういうことをしたら皆に同じことをしなければいけなくなると断られたそうです。

会社に愛着はあるものの(この会社に来る前にはもっとひどい会社(給料未払い)で働いていたと話していました)EPを発行してくれる会社に転職を考えているとのことでした。

外国人フレンドリーなシンガポールの非常に厳しい側面を見た気がしました。

シンガポールでの就職では、学歴は非常に重要な意味を持ちます。就労ビザの一つにTraining Employment Passというのがあるのですが、MOM(Ministry of Manpower)のサイトにList of acceptable institutionsというビザが支給される大学一覧が掲載されています。日本の大学が30校を超えているのに対しフィリピンの大学はたったの3校しかありません。

彼女も私もそれぞれの国の会計士資格を持っています。また彼女はMOMの一覧には載っていないけれどフィリピンでは名門といわれている大学を出ています。さらに私よりも一回り若いのにEPをとれないのです。

一方でこれが対岸の火事かというとそうでもないと思っています。日本の会計士資格はUSCPAやシンガポールCPAへのコンバージョンがほとんでできません(大学の専攻によっては一部科目が認められる可能性がある)。対してシンガポールCPAからオーストラリアCPA、ACCA(イギリス勅許会計士)のコンバージョンは一定の要件を満たす必要がありますが、基本的にはできます。私からすると日本の会計士資格が日本を一歩でるとほぼバリューがないというのがかなり衝撃でした。

フィリピン人の彼女に起こったことは、私にも十分起こりえることで(特に年齢とともに昇給していかない場合)、国外で働きたいと思うのならキャリア、資格、学歴のアップデートを常に意識しないといけないのだと再認識した出来事でした。

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