今年の1月からイギリスのUniversity of BathのBusiness Analytics MScに入った。
一昨年にテキサス大学のデータサイエンスのPost Graduateを終了してから約1年。この間、本当にマスターに入るのかどうか考えたけど、結局『未来のことは誰も分からない』と見切り発車した。1年間考えた割にかなり雑な結論だ。
それでも40を過ぎて畑違いのデータサイエンスコースを始めた理由はまとめてみると、
1.次の10年間、そのまま会計士の資格で食べていけるわけがない
20代半ばで会計士として出発し、今日にいたるまでこの資格に助けられてきた。シンガポールでEPを取って働けているのもBig4というバックグラウンドがあってこそだし、Big4に入れたのは会計士試験に合格したからだ。しかし、この十数年で経理の仕事が様変わりしている。よくAIが経理の仕事にとってかわると言われているけれど、そもそも単純な入力処理や記帳等はとっくにシステム化されているか、派遣会社に外注されている。正社員に期待されていることは財務数値や税務のレポーティングである。本社への報告、監査、税務調査などいろんな関係者とからむ機会があるけれど、そこで納得してもらえる説明だったり資料を作ったりすることが大切だ。この『説明する』ということはAIではできない。
しかし、何もAIだけが私の仕事の脅威になるのではない。人間だって競争相手になる。今は日本語+英語+会計があるから仕事があるだけで、そこができる人がいっぱい出てくれば私の仕事はなくなってしまう。今、多国籍企業は言語による仕事の垣根を最大限減らしている。正直、AIよりも英語への業務集約化が私には脅威だ。いくら日本の税法や会計が多岐にわたっても一般事業会社に影響する部分はそんなに多くはない。そこのオペレーションを固定化し、英語でマニュアルを作ってしまえば、日本語ができる人材はいらない。今は、日本のマーケットがそこそこ大事なことや、日本の税務が煩雑だから私がいるだけだ。
2.欧米圏の学歴がほしい
シンガポールで働きだして思い知ったのが欧米圏での日本の学歴の存在感のなさ。キャリアの折り返し点の今、学歴も何もないとも思うけど、アカデミックな証明はほしい。今後、日本で働くのかシンガポールで働くのかはわからないけど、どちらにせよ英語を使って仕事をしていくので、欧米圏の学歴を取っておこうと思った。
3.単に新しいことがしたい
一昨年、データサイエンスのコースでデータ分析がここまで洗練された形でできることを学んだ。テクノロジーの進化を学ぶのは楽しくて、結局データサイエンスがどの程度自分の仕事に生きるのは未知数だがMScまで取ろうと思った。
理詰めで考えても結局わからなかったので、結局は感覚的にデータサイエンスを勉強し始めた。コースは2年間なので、この後どうなるのかはコースが終わってからのお楽しみ。