先日、新入生のオリエンテーションに主人と出かけた。教科書の配布と制服の採寸ということで油断していたのだが、入学式のような盛況ぶりだった。軽い内容の割にお爺ちゃん、お祖母ちゃん総出で来ている家族もいた。
門をくぐるとクラスが張り出されている。AからFまで6クラスあり、一クラス25人から29人である。そして半数は外国人だ。「はい、あなたはこっちですよ~」と長女は自分の名札を取り新入生の列へ。「ご両親は後方で見守っててくださいね」と私と主人はあっけにとられたまま後ろの保護者席へ。オリエンテーションの開始は8時半からだったが、ここはシンガポール。8時半を過ぎてもどんどん人がやってくる。遅刻前提の保護者達。遅れてくる保護者にはかまわずに校長先生がにこやかに挨拶をはじめる。
はーい、みなさんようこそ!もりあがっていますか~?(完全に意訳)
ここはパーティー慣れしているローカル生。イエーイと新入生も手を挙げる。
はーい、では皆さんの中でここのオープンハウスに来た人はいますか~?
しーーーーーん。手をあげる保護者、児童なし。そう、娘が割り当てられた小学校は場所が不便なせいか外国人に振り分ける余りがかなりあった学校。シンガポーリアンが選ばなかった学校なのだ。それにしても、皆もう少し気を使えよと思う。
校長先生の挨拶が始まった後、さっそく現1年生のダンスが始まった。最初はチャイニーズの歌とダンス(たぶん女子十二楽坊)からはじまりマレー、インドのダンスと歌が続く。最後は英語で締めくくられた。大変素朴であった。そして素敵だった。
「あ~、俺もシンガポールに残りたいな」と主人がつぶやく。そうなのだ、私たち夫婦はシンガポールのこういうところが好きなのである。多様であることを尊重しているところに惹かれるのだ。
もう一つ驚いたこと。それは教室に冷房がないこと。噂には聞いていたが、本当だった。ただそこまでは暑くない。体育館の中もクーラーはないのだが、天井に巨大なファンが回っており、暑がりの主人も「結構大丈夫なもんだね」と話していた。暑がりの娘も文句をいってなかった。
新生活の不安は尽きないけれどほっと安堵して帰路についた。しかし、その夜に教科書を見て腰を抜かすことになる・・・。