上野千鶴子の東大入学式祝辞を読んで思ったこと

FacebookやTwitterなどですでに共有されていますが、上野千鶴子さんの東大入学における祝辞が話題を呼んでいます。(全文は東大公式サイトで読むことができます)

東大公式サイト

昨今あった医大不正入試、AspirationのCooling downなどの女性を取り巻く環境が実は「平等」ではないことから祝辞がはじまります。そして私がとりわけ強く心を打たれたのはこのフレーズです。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

最近、南青山の児童相談所施設建設への反対運動がありました。ああいう意見をきくためにわざわざ住民説明会を開くこと自体が無駄だとずっと思っていました。

以前、精神疾患を抱える方の作業所の近くに既に住んでいました。
奇声を発してしまう人を見ました。
コンビニでお菓子を抱えたまま走り出してしまう人も見ました。
トイレを電車でしてしまう人も見ました。

一方、そういった方の親御さんがお子さんをとても慈しまれているのも知っていました。ぎゅっと大きくなった子供の手を握り優しく諭している親御さんの表情が忘れられません。

それでも嫌だという人がいるからこういった施設への反対運動がおこるのでしょうが、自分の嫌悪感と施設の意義を天秤にかけた時にどっちが勝るでしょうか?なぜ自分の嫌悪感を正当化するのでしょうか?

日本は民主主義です。言いたいことが自由に言える国です。でもいつでも私たちは「何があるべきなのか」を心にとめておかなくてはいけないのだと思います。特に昨今報道される福祉(保育所や作業所、児童相談所)をめぐる発言に強い怒りを感じていたので余計上野さんの祝辞が心に響きました。

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